はじめに

仕事で出歩く時はいつもカメラをぶら下げて出かけます。「何を撮影するんですか?」と訊ねられることには慣れっこなのですが、ちょっと前までは「売れそうなスクープは撮れましたか?」などと聞かれることが多くてまいりました。
思えば嫌な時代でした。
薄汚い似非ジャーナリズム写真雑誌が跳梁跋扈し、カメラを持って歩いているだけで物欲しげな出歯亀野郎と思われる世の中でした。阿呆雑誌も廃刊になったり売れなくなったりし、哀しい質問を受けることも無くなり、人目を憚ることなくカメラをぶら下げて外出できるようになったのは有り難いことなのですが、相変わらず「何を撮影するんですか?」と訊ねられると答えに窮します。 あえて言葉にすれば、出先で心打たれる光景に出会い、それが言葉にしがたく、記憶にとどめるだけではかき消えてしまいそうな儚いものである時、それを記録するために……という事になるのでしょう。

35mmリバーサルフィルムで撮り溜めた「世界の断片」は膨大な量になるのですが、妻からは「映像のごみ拾い」などと笑い物にされる始末です。何のためにカメラをぶら下げて歩いているのか他人に説明するのも面倒なので、せっかくの「電子ガリ版印刷機」を活用して「ホッチキス留め写真帖」として公開することにしました。


第1頁から順に読むための頁めくり

【第1章0001〜0100

0001路上の虹
0002鋼鉄の虹
0003ガラス窓の虹
0004静止する液体
0005自然の化学
0006未来の遺構
0007ゆらりゆらり
0008そしてひび割れ
0009時を刻むもの
0010的たち
0011重層的な宇宙
0012被う
0013人型の不思議
0014空中都市
0015吃音
0016符牒
0017位牌
0018雑誌
0019路上のクイズ
0020人の名前
0021せんべい
0022365枚の人生
0023棲息
0024意味
0025笑い
0026土地を覆う
0027母と太陽の魔法
0028天才たちの夜
0029エレキの誘惑
0030写真の有り難さ
0031メカニカルレッド
0032ふくらむ
0033きれい
0034復刻
0035What can I do?
0036蚕たち
0037催眠術
0038愚行連鎖
0039リアルタイム
0040
0041
0042ほころび
0043土俵
0044穴と玉
0045光の戯れ
0046遺跡
0047風の音
0048集合住宅
0049基礎工事
0050花火
0051眠る子
0052家守
0053ガラス窓
0054走り去る世界
0055 鉄を削る
0056 センヌキ
0057 穴不思議
0058
0059 時間差
0060 水滴
0061 ギャラリー巡り
0062 影絵遊び
0063 縄暖簾
0064 断面
0065 生きる
0066
0067
0068 水面
0069
0070 労働
0071 秋の影絵
0072 行列
0073 宙づり
0074 銅板
0075 化石
0076 腐食
0077 哲学
0078 煙突
0079 光る
0080 乾物
0081 相似
0082 田舎道
0083 田舎道2
0084 専門店
0085 迷宮
0086 プレゼント
0087 みどり
0088 往生
0089 梱包
0090 階段
0091 ドーム
0092 水溜まり
0093 春のゴミ
0094 固体化
0095 濡れる
0096 昆布
0097 冬空
0098
0099 石の中
0100 小休止

 

 


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© Masahiko Ishihara